お知らせ・新着情報

2017.08.22
第49回合研集会(埼玉)~9320名が参加。「民間保育園の運営と経営」分科会には43名が参加

 8月5~7日、埼玉県にて、第49回全国保育団体合同研究集会を開催しました。埼玉県内から3600人、全体で9320人が参加しました。
 1日目は、合研集会の基調となるオープニングフォーラムを開催しました。コーディネーターは清水玲子さん(元帝京大学)。蓑輪明子さん(名城大学)、大宮勇雄さん(福島大学)、平松知子さん(愛知・けやきの木保育園)の報告、保育現場からの発言を通して、保育現場の現状と改善の方向性が語られました。
 2日目は4会場に分かれて、講座・分科会。3日目は、再び全体が集まり、開催地企画・構成劇「ふみだそう平和な未来 つながろう保育・子育ての輪」と、トークセッションとして雨宮処凛さん・元山仁志郎さん・中西新太郎さんが語り合いました。 

分科会「民間保育園の経営と運営」

 第49回合研の二日目の分科会で、経営懇が担当している「民間保育園の経営と運営」の報告をします。
 参加者は43名(保育士4名・園長等24名・理事評議員15名)でした。報告は3本あり、1本は広島の愛児福祉会より、人材確保の困難さや、入所児童の増減から、法人内で人事異動ができるように、社会保険や雇用形態を見直した取り組みが報告されました。2本目の報告は、長野の山の子会より、共同保育所から認可を取って10年。父母と共に「共同」の保育・子育てが継承されるよう取り組みを進めている実践。3本目は、埼玉のこぐま会より、職員が働き続けられるために、行事の見直しや、残業を少なくする取り組みなどが報告されました。
 討論の中では、無認可から法人格を取って認可されてきた保育園や、認可を目指している園の参加も多く、保育士の処遇改善のための財源確保の問題や、賃金体系の在り方、効率的な会議の運営、認可の取り方など、様々な悩みや課題が出され、参加者で意見交流を行いました。
 その中で、複数園を持っている法人から、本部体制をどう整えるか、法人改革で理事会評議員会などの形はできたものの、その機能をどう持たせるかの課題も出されました。また、職員確保の問題では、「パートはいいけど正規はいや」「園長のなり手がいない」「中堅が辞めていく」など、職員育成の課題も出されました。処遇改善では、今回の処遇改善Ⅱの、差別的な賃金問題と研修で管理統制される問題をおさえながら、いかに平等に調整できるか、保育現場の課題にあった研修を入れ込めるかなど、各地の状況と運動を交流しました。 
 参加者の若い栄養士さんからは、「以前、合研で教室係でした。経営をしなくてはいけない園長先生は大変。採用の時親身に話を聞いてもらって感謝の気持ちで、とてもやめられない」との感想も。世話人の森山さんは「経営問題は分かりにくく苦労も多いが、子どもを守るためには避けられない課題。国は保育をサービス化し、企業会計化している。国の誘導策には乗らないように、情報を共有しながら、仲間の園長・理事などが交流して運動を進めたい。」と、まとめました。

第50回合研は大阪で開催

 来年、2018年は第50回を迎える合研集会。開催地は、大阪です。経営懇は、合研・全保連からうまれ、共に保育運動をすすめてきました。50回合研は、経営懇にとっても大きな節目です。全国各地、保護者も保育者も研究者も一緒に学び、今の時代にどのような保育をつくっていくのか、考えあう場にしていきましょう。

※第50回合研の日程・会場は、確定し次第お知らせします。