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2015.02.05
2015年度予算案だされる

◆増税分から0.51兆円
 国は、消費税引き上げによる増収分から「社会保障の充実」に1.35兆円をあて、そのうち0.51兆円が子ども・子育て支援に充てられるとしています。ただし、これは国と地方の合計額です。国は、この額で、2014年4月に示した0.71兆円の範囲でやれる「量の拡充」と「質の改善」が実施できると説明しています。しかし、公定価格の本単価も示されていないこと、予算案が内閣・文科・厚労とまたがって提示されだぶっていること等、具体的な内容が今のことろ、まだわかりません。

資料:平成27年度保育対策関係予算(案)の概要>>>【セット版】平成27年度保育対策関係予算案の概要 (1)

公定価格の見直し~本単価公表は2月上旬
 公定価格については、2月上旬に本単価が示される見込みです。公定価格では下記の点が見直しとなるようです。

①現行の幼保連携型認定こども園が新制度に移行する場合、5年を上限に施設長2名配置を存続可とする経過措置をとる。
②大規模の幼稚園・認定こども園に考慮し、チーム保育の加配の上限を4名から6名に変更。
③認定こども園が少数の1号認定の子どもの定員設定する場合に収入増が見込まれる件は、変更なし。
④小規模保育B型の保育士以外の人件費単価改善。
⑤事業所内保育事業に減価償却費を加算。

 上記のように多くが、保育所以外の施設・事業に関わる内容です。また、③の認定こども園で1号認定の子どもを少人数受け入れると大きく収入増が見込まれる問題は、保育団体の要望もあってか、仮単価のまま提案されるようです。これがそのまま実施されれば、過疎地以外では、1号認定の取り合いになりかねないなど、待機児童解消と逆行する扱いではないでしょうか。
 今後、公定価格の本単価が明らかになった際は、その分析が必要ですが、そもそも公定価格の設定自体に、まだまだ課題が多いことは明らかです。出される本単価の学習と合わせて、保育士の処遇改善や保育園の子どもの実態に合わせた公定価格の設定を求めて、各地・各園から声をあげていくことが重要です。まずは、新制度が本格実施されるまでの期間に、どれだけ国・自治体にこういった声を届けていくかが重要です。

保育所等整備交付金~整備計画策定が必要
 保育所等整備交付金が新設されました。ただし、市町村が整備計画を策定することが必要です。安心こども基金はなくなりますが、積み残しがある場合は合わせて使えます。

 2015年度は、待機児童解消加速化プランに基づき8万人分の受け皿を増やすとし、補助率を二分の一から三分の二にかさ上げする、としています。しかし、この交付金が長期的に使えるものかどうか、市町村と県との協議のすすめ方がどうなるか、等々、今後確認が必要です。園の整備・増設等を検討するうえで重要な交付金ですから、まず、市町村が事業計画とは別に整備計画を立てるように要望しつつ、自治体との協議・確認を行ないましょう。
資料(平成27年度保育対策関係予算(案)の概要の中に、説明あり。3P・保育所等の整備支援)

保育者等の処遇改善平成27年度保育対策関係予算(案)の概要
 厚労省は、保育士確保プランを1月14日に公表しています。その中で、予算に関わって、職員の勤続・経験年数に応じた加算を、従前の水準より3%引き上げるとしています。しかし、キャリアパス要件を備えないと1%減額になってしまいます。

 また、その基礎となる保育士等の給与額の改善がされます。具体的には、人事院勧告に伴う国家公務員給与改定により、保育士に係る人件費が2%程度改善され、今年度の保育所運営費に反映されます。その改善が、新制度の公定価格にも引き継がれることとされました。

子ども・子育て支援事業~単価案提示
 延長保育事業や病児・病後児保育など、13事業の単価案がようやく示されました。

 この交付金は年金特別会計として取り扱われ、補助率は国・都道府県・市町村がそれぞれ1/3です。延長保育事業は、各園の運営と大きくかかわる事業ですが、これまでの加算分がほぼ改善がないまま移行した模様です。これまでの延長保育事業補助金の基本分は、標準時間認定の子どもの公定価格に算入されているため、短時間認定の子どもが増えれば現状よりも園の収入が少なくなる可能性もあります。
資料:子ども・子育て支援事業単価案>>>20150123 子ども・子育て支援事業