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2022.05.12
自治体単独補助に関わる動き

都市では、行財政改革として、保育料の値上げや、民間保育園への補助削減を提案しました。保育料値上げについては2022年4月実施が見送られましたが、民間保育園の補助は大幅削減の予算案が提案され、市内の民間保育園215園が減額され、増額となるのはわずか50園という状況で、1,000万円を超えるような減額が提案されました。この動きに対し、京都市内では、社会福祉法人の理事長や民間保育園園長、労働組合などが反対の声をあげ。宣伝行動等を行いました。予算案は2月議会で採択されましたが、こうした反対の声もうけて「実施後に十分な検証を行い,状況によっては影響の緩和等必要な措置を講じ,子育て環境の更なる向上に資する取組にも配慮すること。」とする付帯決議があわせて採択されています。

阪市では、2020年に市内の認可保育所で、1歳2か月の園児が食べ物をのどに詰まらせ窒息し死亡する事故が発生しました。検証部会が立ち上げられ、事故の検証と再発防止策を検討する中で、大阪市が取り組むべきこととして、「低年齢児の保育士配置基準改善と看護師・栄養士の配置を必須とすること」を国へ提案・要望することがあげられました。大阪市はそれをうけて、2021年6月に、国に対し、配置基準の見直し等を含め、以下のような要望を提出しました。

1保育士 配置基準の見直し等恒久的な確保策を講じ、1歳児配置基準改善 (6:1から5:1へ)を早急に実現するとともに、0歳児についても、保育士等を加配した場合の人件費を公定価格に加算する制度を創設すること。看護師を配置した場合の人件費を公定価格の加算の対象とするとともに栄養管理加算を拡充し、栄養士を雇用等した場合に週5日程度の費用を措置すること。
2 福祉サービス第三者評価受審の義務化
3 普通救命講習等の受講の義務化

この要望をもとに、大阪市は2022年度から「保育所等の事故防止の取組強化事業」として、民間保育所・認定こども園に看護師を配置するための補助を予算化しました。
具体的には、2022年度から3年計画で、民間保育所・認定こども園全園に看護師を配置することを目指すとしています。補助基準額は、1施設あたり常勤で4,499,000円(年額)。看護師等(看護師、准看護師、保健師又は助産師)を配置する経費を補助することにより、児童の安全安心な保育環境の向上を図ることを目的としています。また、看護師の配置により保育士の負担や不安を軽減し、保育の質向上を目指すとしています。

治体単独補助が削減される動きの一方、新たに拡充する動きもあり、継続して現場の実態を自治体に伝え改善を求めるとりくみが重要になっています。