お知らせ・新着情報
「キャリアアップ研修」の適用開始を判断する2021年3月31日が近づいています。しかし、「キャリアアップ研修」に関する国の正確な情報が保育現場に届いておらず、自治体間でも解釈に違いがでています。経営懇会員のみなさんからは、情報提供の要望が経営懇に寄せられています。そこで、「キャリアアップ研修」に関する会員のみなさんの疑問で多かった二つについて「Q&A」をつくりましたので活用ください。また、加算Ⅱに対する経営懇の評価についても再確認ください。(調査研究部)
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Q 処遇改善等加算Ⅱに対する経営懇の評価を教えてください。
A 2017年の予算編成時に安倍首相(当時)が職権で押し込んだと言われている「処遇改善等加算Ⅱ」は、保育現場に大きな混乱をもたらしました。混乱は今も続いていますが、加算Ⅱのしくみはまた、法人の人事制度の理念や整合性を壊すものでもありました。
保育現場の是正・廃止の声に押され、内閣府は毎年のように運用の変更(要件緩和)を行ってきましたが、そのたびに当初の制度設計から離れ、2020年度の要件緩和では、もはや職階(職責)制度とは言えないしくみになっています。私たちは国が企図する保育所への職階(職責)制度の導入は認められないという立場ですが、国の場当たり的な政策の帰結として加算Ⅱの制度崩壊をとらえています。
加算Ⅱの矛盾の一つが「キャリアアップ研修」です。保育士確保に汲々とする保育所に対し、賃金への加算と引き換えに一人60時間と15時間の研修を義務付けてきたのです。研修履修の要件は2021年度までの猶予期間が設けられましたが、予定通りなら、2022年度から一人60時間(副主任保育士等)と15時間(職務分野別リーダー等)の「キャリアアップ研修」の履修が必須となります。研修履行の現状を見るなら、無理に適用を開始すれば、加算Ⅱが受けられない保育所もでてきて、職階(職責)制度の導入という国の目論見もとん挫しかねません。2022年度からの適用開始は、制度を推進する側(内閣府)に立っても非現実的と言わざるを得ません。
全国経営懇は、加算Ⅱを廃止し、原資(対象人数分の額)を加算Ⅰへ繰り入れることを要求に掲げています。2020年度の要件緩和により、加算Ⅱと加算Ⅰとの制度設計上の大きな違いは事実上なくなっており、この要求の実現はより現実的となっています。当面は「キャリアアップ研修」の要件適用時期の猶予延長を求めながら、加算Ⅱの廃止に向けて取り組みを強めます。
●続きは、こちらから>>>2 調査研究部:キャリアアップ研修 Q&A(1208版)
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