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2016.04.01
省令改正で保育士の配置要件を規制緩和!―自治体での条例改正に波及する恐れ

 全国的な保育士不足を受けて、国は、保育士配置について特例的な運用をみとめるよう、厚生労働省令の改正を行ないました。厚労省は以下のように通知をだしています。
通知はこちら>>>20160228kourousyou-tuuti

主な内容~保育士配置要件の規制緩和!?

 公布されたのは『児童福祉施設の設備及び運営に関する基準及び家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準の一部を改正する省令』です。
 内容は
①朝夕の時間帯における保育士配置基準の緩和
②幼稚園教諭、小学校教諭、養護教諭の普通免許状を有する者を保育士とみなす
③8時間を超えて開所する保育所において、認可定員に係る配置基準を超えて保育士の配置が必要な場合に、保育士資格がないもの(都道府県知事が保育士と同等の知識及び経験を有するとみとめるもの)を保育士とみなすことができる
④保育士資格者は総数の3分の2以上であること

以上のように保育士配置要件の大幅緩和が内容です。

都道府県・市町村でも条例改正!?

 国は、保育士配置要件の規制緩和で、保育士不足に対応しようとしていますが、根本的な解決にならないばかりか、保育の専門性が軽視され処遇改善も進まず、保育士のなり手不足が加速化することも懸念されます。保育士を確保するためには、業務内容にふさわしい待遇改善と、研修や事務仕事も時間内にできるような配置基準の改善が必要です。
 省令改正をうけて、今後、都道府県・市町村が条例改正を行うことが予想されます。保育所の基準は都道府県もしく政令・中核市の条例改正、家庭的保育事業等の基準は各市町村の条例改正が必要です。しかし、必ずしも省令通りに改正しなければいけないわけではありません。通知でも地域の実情に応じて、限定的な実施も可能とされています。
 自治体で、議会や担当部局と保育士不足の背景や解決に向けた課題を共通認識にすることとあわせて、現行基準の維持を要望していく必要があります。